+++たいちょうかんさつ日記■番外編■+++　交換日記!?

交換日記!! （４）　　　++　嶋本交換日記に初挑戦　++

くあああぁ～～～～～…
あ～～眠っ。
今日は昼から出勤でホンマよかったわ～～
これで朝一勤務やったらまじシャレならへんで。ヒヨコの訓練しながら俺が危うく船漕ぐハメになる所やったわ。

何で俺がそんなに眠たいかって？
それもこれも原因はあの隊長との「交換日記」や。
昨日隊長にあんな切実な日記書いてこられたら俺もやるしかないやん！
たかだか日記の一つや二つすら書くこと出来ん器の小さい男やって思われたら嫌やし、何よりこれ以上断って隊長に嫌われてもたらそれこそ嫌やし。。
そんなわけで昨日男嶋本覚悟決めて日記書いたっちゅーねん！
正確に言うと朝まで徹夜でな。
って日記書くのになんで朝までかかるねんっ！
もう書いとる途中で何度「俺にはやっぱり交換日記無理です～っ！」って机の上につっぷして挫折しそうになったか。（いや実際何度もつっぷしてもたけどな）

交換日記ってこんなに難しいもんやったんや。
これから隊長と交換日記する事になってもたけど、何度か書けばだんだん慣れて書けるようになるんやろか。
こんな感じで二日に１回日記書くのに朝までかかっとったら、いくら体力には自信のある俺でも、いつまでもつか…

しょっぱなから自信なくなってきてもた…

「おはようございます！」
昼であろうが夜からであろうが、とりあえず出勤時の挨拶は「おはようございます」が決まりやねん。

「お～、嶋本やっと来たか！！」

確か今日は朝一から待機に入ってる一隊の隊長黒岩さんが俺の姿を目にするなり、まるで待ってたぞと言わんばかりの歓迎っぷりで声をかけられた。

「おはようございます、黒岩さん。何かありました？」
何か用頼まれてたっけ？？

「お前もいろいろ大変だな」

「はぁ…??」

何の事やろ？しかもいつにも増してあの般若スマイルが炸裂してるし。
何か嫌ぁ～な予感がする含み笑いなんスけど…

「何かあったんですか、黒岩さん。俺を待ってたような口ぶりですけど」

すると、クックックッ…と一層嫌な笑いを浮かべて、

「いや、俺はお前なんか待ってないぞ。ククッ…お前を待ってたのはお前の愛しい愛しい隊長様だ」
そう言って事務室の奥のデスクを指差した。

そこにはもう着替えもバッチリ済ませた真田隊長が。そして俺が出勤してきた事に気付きはったのかこっちを向いてた。

「？？　おはようございますっ！隊長早かったんですね。何か俺に用あったんですか？」

黒岩さんじゃなくて隊長が俺に用あったんか。わざわざ教えてくれてありがとうございます。
変な笑い浮かべてはったから、てっきりなんか嫌な事でも言われるんちゃうかと疑ってましたわ。スンマセン。お詫びに「愛しい愛しい隊長様」っておちょくった言い方については今回は聞かなかった事にしときますわ。
そんな事を思いながら黒岩さんに会釈して隊長の元へ移動しようとした時、

「おいおいその言い方は真田に失礼だぞ。あいつはああやってかれこれ…４時間も前からお前を待ってるんだからな。４・時・間・前から。」

はぁっ!?　４時間！？　一体隊長どないしたんですか！？

「俺たち一隊が出勤した時にはすでにああして座っていたぞ。真田の行動は本当に理解し難いな。しかも理由が凄いぞ！お前が出勤して日記を持って来てくれるのを待っているんだそうだ！真田も昼出勤のはずなのに朝っぱらからな！ブハッ!!」
そこまで言うと黒岩さんは涙を流さんばかりの勢いでヒーヒー言いながら笑い出した。

「ホンマですかっ！？」
信じられへん！俺が昼出勤って事は勿論知ってるはずやのに、何で朝から待ってはるねん！
「嘘付いてどうする。ホラ、早く日記渡しに行ってやれ。期待した目でこっちを見てるぞ」

うわっ！ホンマや！隊長の目、めっちゃ期待に満ちた目や。

「黒岩さん失礼しますっ」
そう言って未だにヒーヒー笑ってる黒岩さんを後にして真田隊長に駆け寄った。

「遅なってスンマセン！コレッ！交換、日記…書いてきました。」

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真田隊長へ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○月×日

　嶋本です。
　今日は、日記ありがとうございました。
　それから、一昨日は俺の方こそつまらん日報書いてもてスンマセンでした。
隊長と交換日記…改めて意識すると、なんかめっちゃ照れますね。こんな俺ですがこれからよろしゅうお願いします。
　こういう日記は書いた事ないんで何から書けばいいのか…なかなか難しいですね。
そんな俺にひきかえ隊長は何でも器用に書けはるからほんまスゴいと思います。今度隊長に日記のコツ教えてもらわな。笑
　あと、明日（これを隊長が読みはる時には今日ですね）からはヒヨコたちはリペ降訓練に突入します。そんなわけで五十嵐機長に今年もお世話なるんですが…。ちょっと、考えただけで胃が痛ぁなってきました。ヒヨコが無事飛べるかってのも原因なんですが、それよりもやっぱり俺は五十嵐機長がどうも…苦笑
ほんまリペ降訓練の間だけでも隊長に訓練参加して欲しいですわ～笑
あっ、スンマセンつまらん事書きました…。とにかく気合い入れてヒヨコの指導頑張ります！

嶋本

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