+++たいちょうかんさつ日記+++



(続) たこ焼き  -隊長だけやん!-


「高峰さんって確か関東出身ですよね?関東の人って皆、たこ焼きは屋台でしか売ってないものって思てはるんですか?」
「ん?どういうこと?」

今日資器材の整理でたまたま高峰さんと二人になる時があったので、聞いてみてん。
けどいきなりの突拍子もない質問すぎて何の事かわかってもらえなかったから取り合えず昨日隊長としたたこ焼き話を簡単に説明してみた。(今度の非番に隊長と二人でたこ焼きパーティーするって事は恥かしいから内緒にしておいた)

「あはは、そういうことですか。それは隊長らしい回答だね」
「隊長らしい、って笑ってる場合ちゃいますよ!もうこんなにたこ焼きの認識度が低かったなんてたこ焼きが可哀想で可哀想で…めっちゃショックでしたよ〜〜」
と俺はやっと話の通じる人が現れてくれたのをいい事に、マシンガントークを繰り広げ、高峰さんは時々笑いながらも俺の熱き語りを聞いてくれた。

「関東の人みんながたこ焼きに対してこんなに認識低いんか思たらめちゃくちゃショックですよ〜〜」
ってボヤいたら
「シマ、それは隊長だけだよ。確かに家で作ってまで食べたりする事はないかもしれないけど、関東でも普通にたこ焼きはお店で売ってたりするし。食べる機会は祭り以外にも沢山あるよ」
と最もな答えをくれた。
そしてさらに、
「シマ、隊長は他の人とは別格だって事を忘れちゃダメだよ。(つまりは天然)世の中の人がみんな隊長と同じ考えの人ばかりじゃすごい事になるよ」
隊長の考えは隊長だけのものであって、決して他の人にはあてはまらないって事だ。
高峰さんの隊長分析はすごく的を得てるけど、今サラリとスゴイ事も言ったような気がしたのは、気のせい?

とまあこんな感じで今日は高峰さんに話をして、関東でもたこ焼きはちゃんと食べてもらえてるという事が分かってちょっとスッキリした。
そして食べなさすぎなのは隊長だけだ!という事もわかった。

今度のたこ焼きパーティーではもう思いっきり食べまくってもらわな!たこ焼き粉も具も多めに用意しとこ!と決意新たにした時高峰さんから衝撃的な一言が…

「それでたこ焼きパーティーなんだね。やっとわかったよ」

エッ!? 
何でバレてるの…? 俺勢い余って言ってもたっけ・・・??(大汗)
俺の動揺は見事に顔に出たららしい。

「隊長が言ってたんだよ。昨日シマにたこ焼きパーティーに誘われた、って。あっでも今シマから聞いたような詳しい話は聞いてないよ。」

ええぇ〜〜〜!

「隊長、相変わらずの無表情トークだったけど、余程嬉しかったんだね。隊長が自分からプライベートな話する事なんてめったにないのに、今日は朝一番会った時に聞かされたよ。」
あははっと高峰さんの多分悪意は一切ないはずであろう言葉の矢がグサグサと心臓に突き刺さった。もう何から驚いていいのやら何を言えばいいのやら考えがまとまらへん。
隊長そんなに楽しみにしてくれてるんや…めっちゃ嬉しい〜〜〜!!っていうかこんだけ話聞いてもらっといて高峰さん誘わへんなんて失礼よな…でも今更誘うのも今更すぎて失礼よな…
あ〜〜!どないしたらええねん!隊長のアホ〜〜〜!そんでもって俺のアホ〜〜〜!

「あっ、ちなみに隊長からも『高峰もどうだ?』と誘われたけど断っておいたから、シマも俺に気使わなくていいからね」

うわ〜〜〜全てお見通しや〜〜〜!

でも高峰さん何で隊長の誘い断ったんやろ?予定入っとったんかな?それとも俺が作るたこ焼食べたくなかったのかな?
そりゃ正直言うと隊長と二人の方が俺的には嬉しいけど…でも隊長が高峰さん誘うならそれはそれで俺は全然かまへんかったのに…

「シマのたこ焼を食べれないのは残念だけど、二人の間に割り込むような無粋なマネはしたくないからね。」

ぶっ、無粋って!!!

「あと、朝の隊長の勢いじゃ嬉しくて他の人にもどんどん言いふらし兼ねない勢いだったらから俺を誘ったように他の人も誘わないように釘さしておいたから。多分それ以降は大丈夫だと思うから安心していいよ」

「シマ、隊長は天然で何しでかすかわからないんだからちゃんと目を離さず見ておかないとダメだよ。頑張ってね!」

・・・・・はい。

「んじゃ俺の方の整理は終わったから先に下に降りるね。シマも早く終わらせて降りておいでよ」

・・・・・はい。


・・・・・隊長のアホ〜〜〜!!



NO.10


モドル