■リクエスト版■ +++たいちょうかんさつ日記 +++

先日拍手の方から、どなたか存じませんがとても魅力的なリクエストを頂きました。

「いっそ鍵付きの赤い日記帳でも使って、
隊長とシマシマと交換日記をして欲しいです☆」


それ最高にいいです!私もめっちゃ二人で交換日記をやって欲しいですっ!
ということでそのご期待に応えれたかどうかが不安ではありますがちょっと妄想してみました。
リクエスト下さった方がまた来て下さってこれをご覧下さってるかわかりませんが、
この場を借りてお礼を申し上げます。素敵なお題をありがとうございました。
そしてお題を下さった貴女に捧げます。(強制押し付け☆)



交換日記!?


「嶋本、俺と交換業務日報をしないか」
はい?
「交換業務日報、ですか?」
「そうだ」
「すいません、話が見えません。それ何ですか?」
また隊長は何か思いつきはったようだ。

「最近嶋本がヒヨコの訓練で三隊の業務からはずれる事が多いだろ」
「はい」
「だから交換業務日報だ」
いや隊長、今メッチャはしょりましたでしょ。結論まで一気に話飛びましたから。全然説明になってないです。

「あ〜…。つまり、俺が最近三隊離脱してる時が多いから隊長との連絡を密にするためにその交換業務日報をつけると言うことですか?」
「その通りだ」
ビンゴ俺。って俺は隊長の専属通訳士かっ!

「じゃあ事務でノート一冊もろてきて連絡ノートでも作りましょか」
「いや、その必要はない」
早速俺も行動にうつろうとしたんやけど隊長の一言で却下された。

「はぁ、じゃあ何でするんですか?」
ノートでなければ何でするんやろ?
「実はもう用意してきたんだ」
と言ってズイッと目の前に差し出されたのは、

本…?
鍵付き…?

「って、これめっちゃ日記帳ですやん!」
隊長が用意してきたというのは、手のひらに収まるちいさめで、ハードカバー本のようなしっかりとした表紙にこれまたすごい小さいけどご丁寧に鍵まで付いた日記帳やった。
しかも色は赤色で右下にボールにじゃれて遊んでるようなかわいい白い猫の絵が描かれている。
って女の子が毎日の日記つけるのに使こてそうな乙女日記帳やん!


「隊長…コレどないしたんですか?」
そりゃ聞くわ。

「昨日買ってきた」
「えっ!隊長がコレ買ったんですか!こんなかわいい日記帳買ってきはったんですか!」
思わずつっこまずにはおれんかった。ありえへん!悪いけど隊長の趣味疑ったわ。

「ハンズに行ったんだが、店が広すぎてどこに売ってるのか分からなかったんだ。だから店員に探してもらった」
「……何て頼みはったんですか?」
隊長が自分ででコレを選んで買ったのではない事にちょっとホッとしたけど、
それでも、隊長がどう店員に説明したらこの日記帳につながるのか、店員も隊長にこんなファンシーな日記帳をあてがって…もっとましなもんはなかったんか…とメッチャ気になった。

「ある特定の部下と交換で業務連絡をやりとりできるようなものはないかと」
はぁ、尤もな尋ね方ですね。

「で『交換日記のような感じでしょうか?』と尋ねられた。少し違う気もしたがまぁそのようなものだと答えておいた」
それや!その返事がアカンかったんや!

「そしたら店員がコレ出してきたんですか?」

「ああ。あとコレともう一つ候補をだされたんだが…」
だが?
「本当はそれの方が色も黒で俺はよかったんだが、それには鍵がついてなくてな。店員曰く『コレだと他の人に見られる危険性があるから仕事場で受け渡しするなら鍵付きの方が絶対いい』と勧められたんだ」
…鍵も必要かもしれんけど、大の男が使うなら乙女日記よりは防犯性に欠けても黒日記やろ。
店員も店員ならその話にまんまと丸め込まれて乙女日記を買ってきた隊長も隊長やで。
多分この店員も、天然やったんやろな。

「これがその鍵だ。ちゃんと二個ついてた。これが嶋本の分だ。」
と小指の第二間接くらいの大きさしかない小さな小さなオモチャみたいな鍵を「スペアが無いからなくさないようにな」と言いながら手渡された。

「はぁ…」
もう日記にツッコむ力もなくなってもたわ。
とりあえず受け取った鍵で開くかどうか早速試そうとしたら

「ちなみに昨日の分はもう書いておいた。今日は嶋本が書く番だからな。持ってかえっていいぞ」

ってもう早速始まってるんですか!
中を開けると、これまた中にもかわいいネコの絵が至る所に描かれてあり、そんな日記帳の可愛さに全然似つかわしくない隊長のめちゃくちゃ綺麗でちょっと几帳面そうな右上がりの字体が、居心地悪そうな雰囲気を漂わせながら日記帳の最初のページを埋めていた。

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嶋本へ                          ○月×日

最近嶋本がヒヨコ隊の教育で三隊の業務から外れる日が多いが元気にやっているか?
ヒヨコの成長は順調か?嶋本にまかせたら間違いないとその点は信頼しているぞ。
しかし三隊に嶋本がいないとこんなに静かで寂しいとは思わなかった。
今日はあまりに寂しかったから、三隊の方は高峰に任して、俺はヒヨコにこっそりと紛れ込んで
嶋本の特訓を受けようと思いついた。我ながらなかなか良い案だ。
ちょうど俺の横で着替えてた神林にヒヨコの制服と交換するように申し出たんだが、なかなか貸してくれなくてな、思わず
「俺の言う事が聞けないのか!」と声を荒げてしまった。
あれは大人げなかったと少し反省している。
その後、神林は素直に制服を貸してくれたから、俺の制服も着ていいぞと渡したんだが
自分は控えのジャージとTシャツがありますから、と何故か遠慮されてしまった。
そして神林はそそくさと着替えて更衣室から出て行ってしまった。愛想のないヤツだ。
俺は神林の制服を着ようとしたんだが、ここで問題が発生した。
サイズが合わない。
神林は俺より小さいという事を失念していたようだ。なんとか入らないものかと頑張ってみたんだが、無理だった。あと少し!と無理しすぎたようで右肩の縫い目がビリッと破れてしまった。すまない神林。裁縫道具も持ち合わせてないのでそのままそっと神林のロッカーに戻しておいた。

今日はサイズが合わなかったせいでヒヨコ隊の訓練に紛れ込めなかったが、今度は余裕で入りそうな佐藤あたりに制服を借りてみようと思う。その日が楽しみだ。

さて、次の日記は嶋本の番だぞ。
何を書いてきてくれるか楽しみにしている。

真田甚

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隊長…。これの何処が交換業務日報なんでしょうか?
俺にはめっちゃ♪ウキウキ楽しい交換日記の始まり始まり〜♪のように見えるんですが。
しかも内容、これあきませんから!いくらヒヨコの制服強奪しても隊長て一発でばれますから!俺も追い出しますから。ちゃんと三隊の業務こなしてくださいっ!
どうりで今日は神林が制服着てなかったはずや。
理由聞いても、目線合わせずゴニョゴニョと「家に忘れてきました」って言うもんやから、「たるんどる!」って腕立て1万回やらせたけど、隊長が原因だったんですね。しかも神林の制服破ったって…
ふんだりけったりやな、神林。不幸なやっちゃ…

しかし隊長、俺に次どんな事書けいうんですか。
最初に「交換業務日報」と言われた通りに業務日報だけ書いたとしたら…絶対隊長文句言いそうですよね。だってラストの文章「次の日記は嶋本の番だぞ。」って、既に隊長の中で「日記」になってるし!
無理です!
俺には隊長と同じノリで「日記」書ける自信ありません!
NO. リクエスト特別版



すみません!いつもより真田隊長に積極的に頑張ってもらってラブラブ度アップじゃ〜!と動かしてみたんですが真嶋っていうよりは単に隊長暴走話になってしまいました。しかも兵悟にまでとばっちりが…それもこれもみな嶋本への恋は盲目(暴走)状態という事で。苦笑



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