82話より |
手放せん存在理由 |
「今度のドラフト・・・石井か大羽を指名しようと思ってるんですが・・・」 「スキルが高く即戦力になる奴となるとやはりこの二人に・・・」 「これからお前の隊に必要なのはスキルか?」 「え?」 行軍前に一度だけ隊長に相談した。もう俺が隊長やし、俺の判断で決めるべきだと思ったが、隊長なら誰を選ぶのかも聞いてみたかったから。 しかし、自分から相談しておきながら言うのも何だが、今に思うと相談しない方が良かったのではないかと、そう思わずにはいられないのも現実で… 「嶋の三隊に必要なのは 神林だ」 えっ? いきなり選択肢に入ってない名前が隊長の口から出てきた。 しかも「神林だ」って言い切りはった。 後から「と思う」って付けても全然緩和できてませんよ! 「あの・・・隊長、その理由をお聞きしてもいいですか??」 「ああ理由か?嶋本へのセクハラ対策だ」 「セッ、セクハラ!?」 「ああそうだ。これからお前の隊に必要なのはセクハラ対策だ」 「ちょ、ちょっと隊長待って下さい!俺へのセクハラ対策って何なんですか!?誰がするんですか!?しかも何でそれと神林が結びつくんですか?」 話が全然読めんかった。 そして隊長に説明を求めたが、その説明もぶっ飛んでた。 「先日基地長から、俺が抜ける分の補充要因として三隊には一ノ宮さんを投入したいと考えられている旨を伺った。」 「ええーーっ!そうなんですか!?俺まだそんな事聞いてませんよ!!」 「多分ドラフト会議の時に言うつもりだろう。基地長たっての人選となればそれは決まったも同然だから一ノ宮さんの三隊異動は決定と思って間違いない。」 「・・・はぁ、そうなんすね」 うわ〜〜どないしょ〜〜俺が隊長やのに一ノ宮さんが入ってくるなんて・・・ あまりの衝撃的人事異動話にうっかり思考の全てを一ノ宮さんにもっていかれそうになったが、隊長の話にはまだ続きがあった。 「一ノ宮さんと言えば特救隊内のセクハラキングだというのは嶋本も知っているだろう」 ブッ!!セクハラキングって・・・隊長からそんな言葉を聞くとは思わんかった。 「は、はぁ・・・噂には」 同じ隊になった事ないから実際のセクハラ現場を見た事ないけど噂には聞いたことあります。 「三隊なんかに入ってきたら、一番かわいい嶋本がセクハラのターゲットになるのは目に見えてるではないか。だからセクハラ対策に神林を・・・」 「ブッ!!ちょっ、ちょっと隊長待って下さい!かっ、かわいいって何ですか!?しかも何で神林に結びつくんですか!?」 わけわかりませんし!と一気にまくし立てたら、「人の話は最後までちゃんと聞くものだ」と話を遮ったから怒られてもた。 すいません・・・ 「高嶺や佐々木には悪いが、この二人に好んでセクハラする事はないだろう。そして大口だが、一見セクハラ対象になりそうだが、大口の場合セクハラされても笑ってその状況を楽しみそうだから一ノ宮さん的におもしろくない反応の為にすぐ飽きるだろう。そうなると、三隊で誰がセクハラターゲットになりうるかと考えたら一番かわいい上に嶋本以外にありえない。それに嶋本の反応は男心をくすぐるに違いないしな。」 くっ、くすぐるって・・・!!! 「そんな嶋本の身の危険を察知しておきながらみすみす見逃すわけにもいかず基地長になんとか考えを改めてはもらえないだろうかと食い下がって見たのだが『もう決めちゃったもんね〜』と取り合ってもらえなかった。力及ばず申し訳ないと思ってる。一ノ宮さんの三隊入りが阻止できないとなれば、最終手段として新しく入ってくるヒヨコに一ノ宮さんのターゲットになってもらうしかないだろう」 「・・・で、そのターゲット、いやようするに人身御供が、神林ってわけですか」 「ああ、そうだ」 「何でそこで神林なんですか?スキルも兼ね備えてる石井や大羽じゃアカンのですか?」 「想像してみろ。まず石井の場合、あの性格だ。セクハラされても大口同様に笑って楽しみそうだろう。だから反応的にセクハラ対策要員とには向いていない。そして大羽だが、反応としては多分一ノ宮さん好みの反応をするだろうから一見適切要員に思えるが、大羽の真面目な性格上、上司のセクハラを断りきる事も出来ず内に溜め込んで潰れてしまうかもしれない。」 だから両方からの視点で考えても、この二人はセクハラ対策には不適切だ、と。そして、 「その点、神林は全ての問題をクリアしている。まず、セクハラされた時、きっと神林なら一ノ宮さんの期待通りの反応をしてくれるだろう。そしてあの性格なら内に溜め込む事もなさそうだし。もしかしたらセクハラをセクハラと認識する事すらなく一ノ宮さんの事も『スキンシップの激しい人だな〜』くらいにしか思わないかもしれない」 それはそれで嬉しい誤解だ。その場合あえて「それはセクハラだ」と教えてやる必要もあるまい。 「そんなわけで、あらゆる視点から考えた結果、嶋の三隊に必要なのは神林しかいない」 「はぁ・・・」 あらゆる視点って・・・俺にはセクハラ対策視点からしか考えてないように思うんですが・・・ スキルや即戦力よりもホンマにそれが必要なんですか・・・? でもここまで隊長に力説されたら、自分から聞いた手前反論する事もツッこむ事も出来んかった。 しかも今回は「神林しかいない」って言い切りはったし… 「すまない、熱く語りすぎたな。あくまでコレは俺の意見だ。決めるのは隊長になる嶋だ。参考程度に聞き流してくれてかまわない」 隊長…聞き流してくれてかまわないって、後から緩和しようとしても全然緩和できてません。 しかも口ではそう言いながら「神林、神林、三隊には神林が必要だ」ってオーラがめっちゃ出てるんですが…。 これで神林を選ばんかったら、一ノ宮さんのセクハラも怖そうやけど、それを知ったときの隊長の方がもっと怖そうや・・・ よかったな、神林。理由がアレやけど、お前の大好きな隊長が「三隊に必要なのは神林だ」って選んでくれたで。 ------------------------------------------------- 後日・・・ 「嶋本隊長に「手放せん存在」と言わしめたホープが もうリタイアっすか?つまんねーなー。 なんであんなん選んだんすかぁ?」 俺が選んだんとちゃうわ!あんたのセクハラ対策に真田隊長が選んだんや! とは口が裂けても言えない嶋本だった。 おわり☆ |
やっぱり兵悟は真田隊ちょに塾長セクハラ対策として選ばれてたんだ〜〜!(笑)嶋の事、2回も「嶋」って言ったしvv しかも隊ちょの意見を聞いてあんだけタラタラと冷や汗流したにもかかわらず、最終的には隊長の人選通り兵悟を選んでるし!隊ちょ人選による嶋本隊・・・なんて素敵なんでしょう… アホ設定で突っ走ってスミマセンでした。で、でも兵悟ってセクハラ対策要員やと思いませんか!? |