オシメグ

隊長自慢

「【オッシー改造計画】始動するったい！」

バン！と机を叩きながら宣言したのはこの度新たに四隊入りした石井盤。
また何やら石井が押尾に言い始めたぞと周りにいた四隊の面々は仕事に手を動かしながらも注目した。

元ヒヨコ達と集まった際、近況報告に続き、自隊の話に流れる事が多い。そしてその話を聞いていると、
どこん隊長も格好よかばい・・・なのにオッシーは・・・
と自分とこの隊長を思い出しては、「はぁ～～っ」とマリアナ海溝よりも深いため息をつき、そして怒りで肩を震わすのが常だった。

オッシーも出来る人なんやけんそんダジャレや下ネタ、オッサン臭さばなくしたらアレでもそれなりに様になるはずばい。
オイだけ隊長の自慢出来んとは悔しか！
真田さんレベルは無理としても、せめて見るからに出来そうなお人に改造するばい！！

まずはダジャレ下ネタ禁止！
基地でエロ本や囲碁新聞読むの禁止！！
素振り練習禁止！！

「オッシー！あんたは海難においてはあんなに凄い人なんやけん、日頃の行動もちゃんとしようと思えば出来るはずばい！」
「え～～」
「え～やなか！オッシーがちゃんとしてくれんとオイが同期のヤツらに隊長の自慢できんで肩身の狭い思いばするんやけん！オイが自慢できるような隊長になってもらわんと困る！」
「え～めんどくせ～な～～」
「めんどくせーって、アンタは悔しくなかか!?出動した時はあんな凄いのに、日頃の振る舞いのせいで自分で株ば落としとるとよ！」
「別に株なんて気にならねーけどな～～」
「オイが気にするの！とにかく今後はさっき言った事ば禁止するばい！」
「え～～バンちゃ～～ん」
「聞く耳持たんばい！」

「・・・なんやかんや言いながら石井って実は隊長の実力買ってたんだな～」
「・・・しかしいくら石井でも、あの隊長に改心さすのは」

「「無理だろうな～～」」

【終わり】