+++ 拍手お礼SS +++
サナシマ
「祭」
祭 「っはぁー!やっぱ祭りっちゅーたらこれですわ!」 「祭り認識間違ってるぞ」 「間違ってませんて〜。まずは腹ごしらえ!腹が減っては何とやらです。神さんへのお参りするにも力を蓄えてしっかり拝まんとですよ」 アーン パクッ んまぁ〜〜! 「ようするに神への参拝より目先の屋台か」 しししっ!だってこんな美味いもん素通りするなんて失礼ですやん、と嶋本は先の境内までまだまだ続く色とりどりな屋台を見渡した。顔には『次はどれにしようかな〜』とのセリフまで浮いて見えた。 境内への到着は当分無理なようだな。 「そや、隊長もお一つどないです?まぁ俺の作るのに比べたら劣りますがタコもでこうてなかなかいけますよ」 はい、とようじに刺したたこ焼きを笑顔で差し出されたので少しかがむようにして嶋本の手から直接拝借した。 パクッ 「どないです?いけますでしょ!」 「・・・うまいな」 「ですよね〜!やっぱ祭りにはタコ焼きっすよ!あとこれにキーンて冷えたビールがあれば…」 とビールを売ってる屋台はないかと周りを見渡した。 「だが、」 「はい?」 真田の言葉に嶋本が顔を戻す。 「嶋本が作ってくれるたこ焼きの方が美味い」 「!!えっ!いや、あの…さっき言うたんは冗談で…そんな持ち上げてくれんでも…」 「いや、間違いなく嶋本の方が美味い」俺の舌に間違いはない、と言い切る真田。 「・・・・あ、ありがとうございます。なんやテレますわ」また腕ふるわなあきませんね、と真田の評価に照れながら答える嶋本。 「話をしていると今すぐ嶋の作るたこ焼きが食べたくなってきた」 「えっ、今すぐですか!?」 「だめか?」 「・・・・祭りはどないするんですか?」 「嶋本と同じだ」 「へ?」 「嶋本が参拝よりも屋台が好きなように、俺も参拝より嶋本が好きだという訳だ」 ブハッ!っと俺が噴き出すと、「今の場合は嶋本のたこ焼きが好きだと言うべきだったな、すまない」と謝られたがそういう問題じゃないし、第一その比較自体おかしいですよと思ったがツッコミは控えてみた。 「・・・何か二人してめっちゃ罰当たり発言っすよね」 「赤信号も二人で渡れば怖くないだ」 !! 「隊長からそないな言葉聞くなんて何か意外・・・」 「そうか?」 「なんやいつもの隊長っぽくない発言や・・・」 いつもの真田なら屋台にうつつをぬかす嶋本を参拝を済ましてから屋台は楽しむものだと制して社へ直行し、嶋本が賽銭投げて鈴ならして…としている横でテレビの特集かなんかで見た事ある(逆に言えばテレビ以外で実際にしてる人を見たことない)神社での正式な参拝法を間違うことなく展開してそうなイメージが真田にはあったから、参拝に重きを置かない発言は驚きに値した。 そして真田はというと、 「祭りだからな」 とあっさり答える。 「それ、わけわかりませんよ」 その発言と祭りに何の関係性があるんですかと嶋本は突っ込んで真田に尋ねた。 「お祭りムードに当てられて俺もハメを外したくなったって事だ」 全然わからんかったけど隊長もお祭りムードに当てられとったんや。俺ばかりはしゃいでもてて一緒に来たものの実は隊長祭りとかあまり好きやなかったんとちゃうか、と心配すらしとったのに。 しかし隊長のハメ外しポイントって、やっぱりようわからん。 おわり |
中途半端ですみません。
この後は結局境内に参ることなく神社を後にして途中スーパーに立ち寄り食材と酒を調達し嶋本の家に向かった二人でした。
祭りと無縁ぽそうな隊長でもあの祭りの雰囲気には当てられてると思います。っていうか隊長の場合、「祭りにはしゃぐ嶋」がたまらく可愛いなと嶋に当てられてるんだと思います。
それって祭りに限らずいつものことですね!
06.07.18掲載拍手お礼SSより