■■ 宴隊メンバーによる 割烹着祭![]() |
<前書き。笑> 割烹着!?何ですかその御題!?って感じですが、チャット中にポロッと決まったんですよね。たしか三隊からはずれた隊ちょがヒマなもんだから嶋が帰宅するのを夕飯を作って待ってるといいよ。と。そして料理を作る際は是非割烹着着用で。 なので正確に言うと、この祭は「割烹着隊ちょ祭」なんです。やる前からわけわかりません。この萌えアイテムでもなんでもない割烹着をいかに萌えアイテムに変換できるか!?ある意味挑戦でもあります。某隊員から途中メールで「割烹着に萌えを見出せません」と泣きのメールが届きました。頑張って!!私も全然萌えの神がリペ降してくれず悶々としております。 トッキューの日にちゃんとアップできるのでしょうか…ドキドキ。 10月某日 (話がまだ書けないからとりあえずページと前書きだけ作ってみました) |
割烹着 |
基地で昼休憩中、隊長と二人で朝からたんまりと買って来ていたコンビニ弁当をモリモリ食べていた時の事、ちょうどつけっぱなしのTVで放送していた料理番組に目がいった。 「へぇ〜近頃は男の料理番組なんてあるんすね」 「本当だな」 男も料理が出来なアカン時代になったんか、それとも独り身の男性に自給自足頑張れ!という応援料理番組か?いずれにしてもなんや複雑な料理番組やった。 「しかも肉じゃがやなんてなかなか難しいメニューですよね。彼女が彼氏に作ってあげる定番メニューやったのにそれを男が作る時代になるとは…」 「そうなのか?」 「あぁ、はい。ああいう煮物料理って出汁の配分とか難しいじゃないですか。だからそれを作ることによって彼女は『私は料理が上手いのよ〜私と結婚したら毎日こんな美味しい料理が食べれるのよ』とさりげにアピールして、彼氏はその旨さにさらにメロメロ〜嫁に是非!なコースらしいっすよ」 「ほぉ、それは知らなかった…」 「そうみたいですよ。…ってまさか隊長今までそれに気付かず誰かに肉じゃが作ってもろた経験があるとか!?」 ドキドキドキドキ・・・・ 「…母と給食のおばさんには作ってもらった事はあるぞ」 「ブフッ!! ってそれは対象外ですよ!それ言ったら俺も同じですやん」 「では嶋本も彼女に作ってもらった事はないのか?」 「・・・お恥ずかしながら。でも今はもう俺には隊長がおるから、そんな人必要ありませんよ」 「・・・嶋本・・・・・」 「うわっ!俺どさくさに紛れて何言っとんや!すっ、すんません!」 「・・・・・いや、そう思ってくれているのは嬉しい。」 「ホ、ホンマですか? えへへっ」 「…では俺が嶋本の為に肉じゃがを作ってやろう」 「はい?」 「そうだな、次の非番の日がいいな。」 「ええっ!!」 「昼ご飯に作る事にしよう。では・・・・・明後日の日曜日だな。1200に俺の家に来るように」 「ま、まじですか!」 「あぁ、まじだ。俺の肉じゃがで嶋本をメロメロにしてみせるぞ」 「★¥%#∇∨!!」 *** 「た、隊長…」 「何だ?」 「それ…何ですか?」 「知らないのか?割烹着だ。そしてこれは三角巾だ」 「いや、名前は知ってます」 「なら何がわからないんだ?」 「何がて…。いや、何で隊長がそんなもん着てるんやろて…」 「?今から料理するんだ。着用するのが普通だろう」 「いや、確かに普通かもしれませんが、エプロンとかでも良かったんとちゃいますか?っていうかそれどないしたんですか?」 「和食と言えば割烹着だろう」 ブッ! 「しかし、流石に割烹着は持って無かったんでな、これは高嶺に貸してもらった」 「た、高嶺さんに!?なっ、なんで高嶺さんそんなもん持っとるんですか!?」 「高嶺が料理する時はいつも割烹着らしい。で、この前基地で高嶺がカレーを作っていた時に着用してたのを思い出してな、貸してもらったんだ」 いや、別にそこまで割烹着にこだわらんでも… っていうか高嶺さんの割烹着姿って想像するだけでもめっちゃしっくりくるけど、隊長の割烹着姿…似合う似合わんのレベルじゃなくて、ありえへん!もう体張って笑いを取ろうとしてるのか、何かの罰ゲームとしか思われへん。 「ついでに高嶺に肉じゃがの作り方も教えてもらった」 へっ?? 「ええっ!!隊長作り方知らんかったんですか!?」 「あぁ」 まるで「大船に乗ったつもりで食べに来い」な言い方やったらか、(隊長が肉じゃがって時点でめっちゃ違和感ありまくりやったけど)、てっきり作ったことあるんやって思とったのに。 マジですか… 一気に不安になってきた。でもって俺の不安が隊長にバレてもたんか、 「心配する必要はないぞ。料理なんて『材料とレシピさえあれば男でも作れる』と、この前の料理番組でも言っていたからな。安心しろ」 安心しろ、てそんな割烹着着て三角巾つけてジャガイモと包丁にぎりしめて言われても… 何か隊長がどんどん隊長やなくなっていく・・・ ダンッ! ダンッ! ダンッ! ガタンッ!! ボチャン! ガシャッン!! ゴトッ!ボトボトボトッ!! 「あっ・・・」 「たっ、隊長!だっ、大丈夫ですかっ!?今の『あっ』って何なんですか!?ホンマ大丈夫なんですか!?」 「あぁ、大丈夫だ。気にするな。嶋本はテレビでも見て待っていろ」 「は、はぁ…、ホンマ、気ぃ付けてくださいね」 ・・・・・隊長、今料理作っとるんよな??肉じゃが作っとるんよな。 ・・・・・じゃあ、俺の耳に聞こえる日曜大工のような音は何なんや?? 『出来上がるまでは向こうの部屋で待っていろ』とキッチンから有無を言わさず追い出されてもたから、隊長が今何しとるんか全然わからへん。 まるで鶴の恩返し状態や。めっちゃ覗きたいのに、でも覗いたらどんな光景が広がっているか…あの音からしてきっと普通の状態やないはずや… 隊長が怪我してなかったらええけど… 隊長にメロメロどころか、もうめっちゃヒヤヒヤですよ。こんな心臓に悪いの初めてや・・・ *** 「嶋本…」 「あっ、隊長!出来上がったんですか!」 待ってました!!キッチンから隊長がやっと出てきた。手には器を持っている。 「あぁ、一応」 そう言ってテーブルに持ってきた器をゴトッと置いた。 えっ… 「すまない、肉じゃがとは程遠いモノになってしまった・・・」 確かに…。目の前に差し出されたものは肉じゃがっていうか、何やろ? たぶんこれはじゃがいものはず?じゃあこれは?? 「肉じゃがで嶋本をメロメロにする予定だったが、これでは程遠いな」 長いこと待たせてしまったのにコレで申し訳ない――そう言いながら、隊長は醤油とかのシミが派手についてボロボロになってしまった割烹着を脱いだ。 確かにこれを食べるには勇気が必要や。 申し訳ないけど、見た事ない料理や… でも、隊長が俺の為に必死に作ってくれた初めての手料理や。 出来上がるまでかれこれ5時間…もう昼ご飯っていうよりは夕ご飯の時間になってもてる。 そんな長い時間、きっと普段料理とかしたことない隊長が俺の為にと必死に肉じゃがと格闘してくれてたんや。 もうそれだけで胸がいっぱいや。 「肉じゃがの出来なんて関係ありませんよ。隊長がそんだけ必死に頑張ってくれたっていう行為に俺はもうメロメロですよ。めっちゃ嬉しいです。ホンマありがとうございます」 「嶋本・・・」 「そうや!せっかくやから頂きますよ!」 「…無理しないほうがいいぞ」 「材料はちゃんとしたものなんですから、大丈夫デスよ!勇気を出して食べさせてもらいます!」 「・・・今サラリと失礼な物言いをしたな」 コツン!とおでこを叩かれたけど、隊長、顔全然怒ってへんかった。むしろ楽しそう。そやから俺も「あははっ、気付きました?それじゃあ頂きます」と笑って答えた。そして、 いざ!! パクリ・・・。 「・・・・・・・」 「大丈夫か??」 「・・・隊ちょお・・・やっぱ、マズイです」 見た目はアレでももしかしたら味は旨いかもという望みにかけて食べてみたけど、見た目に勝る味やった。 「…すまなかった。」 飲むといい――と隊長に手渡された水をゴクゴクと飲み干した。 ぷはぁーーっ。 「あ〜でも俺、隊長の記念すべき初の肉じゃがを食べれたんや!」 マズかったけど何かめっちゃ嬉しい。 「あれは肉じゃがとは言えないぞ。しかも食べれたものじゃないし…」 「いえ、あれは肉じゃがですよ!確かに味は…ちょっと強烈やったけど、それでもあれは間違いなく隊長が俺だけの為に作ってくれた肉じゃがですから!もうそれだけでホンマ嬉しいです!」 何でも完璧にできる隊長よりもどこか一つでもダメな所がある隊長の方が愛嬌があってかわいいっすよ。 「そうや!今度は俺が隊長の為に肉じゃが作りますよ!俺も料理は得意って言える方とちゃいますけど、頑張って俺も隊長をメロメロにしたくなりました」 「俺はいつでも嶋本にメロメロだぞ」 ブフッ! 「そっ、そんな恥かしい事、真顔で言わんといて下さいよ!!」 「そうか?」 「そうです!なら、俺はもっともっと隊長をメロメロにしてみせるから覚悟しといて下さい!!」 「それは手ごわそうだ。楽しみにしているぞ」 「あ〜〜。しかし、隊長… コレ、確か高嶺さんの割烹着なんですよね…」 「ああ」 「・・・・・もう、コレ再起不能ですよ」 ビローンと広げてみた。 醤油の跡が一番盛大で… 何ていうか醤油が飛び散って付いたっていうよりは、醤油をかぶったって感じ?そんでもってよう見たら割烹着が切れてるし!袖の所とか何箇所も…!! どないしたんですか!って聞いたら、包丁が当たったって。怪我はしてないんですか!?って慌てて隊長の手とか割烹着が切れてる部分も確かめたけど、幸いどこも切ってなかってホッとした。あれで怪我なしってのはある意味すごいかもしれへん。 でも、隊長の料理怖すぎるわ。たった一回の料理で割烹着があんなにズタボロになるなんて想像できへん。 これだけ割烹着が汚せるってことは… !!! もしかして! 「たっ、隊長!キッチンは大丈夫なんですか!?」 めっちゃ嫌な予感がした。 昼間追い出されて以来入る事の叶わなかったキッチンに向かって走った。 #%&=△×$#!! 「たっ、隊長ぉー!!どうやったらたった一回の料理でこんなにメチャクチャに出来るんですかーー!!」 「・・・・・すまん」 <おわり> |
隊ちょは料理が上手いにするか、下手にするか…かなり悩んだんですが、これでもか!ってくらい下手にしてしまいました。だって仕事も家事も完璧な隊ちょってねぇ…私にはそんな隊ちょを期待されてないような気がしたので。笑。そして割烹着でラブはありえないので、その前後でラブ風味をと意識したら方向性間違って砂を吐くようなサナシマになってしまいスミマセンでした。 破壊的にメチャクチャになったキッチンはきっと嶋がブツクサ怒りながら片付けるんですよ。「もうアナタったら!どうやったらこんなに汚せるの!これだから男の料理って嫌いなのよ」ってアンタは妻かい!妻ですとも!笑 |